引込導体の電圧降下計画
メーター位置や主遮断器を確定する前に、実際の電圧降下値、NEC の引込ルール、IEC の確認点でサービス導体を計画します。
サービス引込は定格電流だけ見れば十分だと思われがちですが、実際はそうではありません。200A や 320A のサービスでも、サービス点から主設備までの距離が長いと、許容電流が足りていても電圧余裕を失うことがあります。
実務では負荷計算、導体材料、片道距離、そして経路全体の電圧降下予算を一緒に確認します。NEC では Article 220、230、310.12、さらに 215.2(A)(1) と 210.19(A)(1) の情報注記が有用で、IEC 系では IEC 60364-5-52 が基準です。 NEC IEC
なぜ引込導体は個別に電圧降下確認すべきか
サービスや主フィーダは、長い私道、大きな住宅、作業場、納屋、別棟へ渡ることが多く、分岐回路より前の時点で長距離になります。
NEC 310.12 の住宅向け簡易サイズが使えても、距離が長ければ一段上のサイズが妥当なことがあります。
アルミ導体は一般的で経済的ですが、抵抗が高いため距離の影響が早く出ます。
サービス側で落としすぎると、下流のフィーダと分岐回路に残る 5% 予算が足りなくなります。
図面と計算書に残すべき規格ポイント
- NEC Article 220: 導体サイズやサービス容量の前に、妥当な負荷計算を確認する。
- NEC 230.42: サービス導体は計算負荷と施工条件に対して十分な許容電流が必要。
- NEC 310.12: 住宅サービスとフィーダでは簡易サイズが使えるが、電圧降下で上位サイズが必要になることがある。
- NEC 215.2(A)(1)、210.19(A)(1)、IEC 60364-5-52: 全体 5% を守るため、サービス側を約 2% に抑える設計がよく使われる。
代表的なサービス引込の計画値
以下は標準的な導体抵抗に基づく計画例です。最終設計では実際のルート、周囲条件、端子定格、電力会社や AHJ の要求を確認してください。
| 条件 | 距離と負荷 | 導体 | 概算降下 |
|---|---|---|---|
| 住宅サービス | 片道 180 ft、200A、120/240V | 4/0 AWG Al | 約 5.8V / 2.4% |
| 住宅サービス | 片道 180 ft、200A、120/240V | 250 kcmil Al | 約 4.9V / 2.0% |
| 住宅・納屋・作業場サービス | 片道 220 ft、320A、120/240V | 600 kcmil Al | 約 4.0V / 1.7% |
| 小規模建物フィーダ | 片道 45 m、100A、230V | 35 mm2 Cu | 約 4.4V / 1.9% |
数値で確認できる引込の例
200A 住宅サービス、片道 180 ft
4/0 アルミでは約 5.8V、240V の約 2.4% です。多くの住宅では使えますが、EV 充電器や HVAC、作業場回路が長いなら、250 kcmil アルミで約 2.0% にしておく方が安心です。
320A 住宅・納屋・作業場サービス、片道 220 ft
400 kcmil アルミで約 2.5%、600 kcmil アルミで約 1.7% です。大きいサイズはモーター始動やヒートポンプ、将来負荷の余裕を守りやすくなります。
230V 単相別棟、100A、45 m
25 mm2 銅は約 6.2V、2.7% です。35 mm2 にすると約 4.4V、1.9% となり、建物内の最終回路に残す余裕が増えます。
サービス導体サイズ確定前のチェック
- サービス点またはメーターから主遮断器までの実際の片道ルートを測る。
- サービス導体、フィーダ、分岐回路を分けて確認し、一つの区間で全予算を使わない。
- 同じ負荷と距離で銅とアルミを比較する。
- EV、HVAC、溶接機、別棟負荷の将来計画を先に見る。
- 電力会社条件、NEC/IEC、端子定格、電圧降下計算を同じシートで確認する。
太い導体を引く前にサービス条件を計算する
サービスエントランス計算機で導体材料、ルート長、目標降下を比較し、メーターベースや幹線ルートを確定する前に判断してください。
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