導体ディレーティングと電圧降下:両方に合格する電線サイズ
ブレーカ容量だけで合って見える電線でも、設計として正しいとは限りません。ディレーティングは過熱しないかを確認し、電圧降下は末端機器に十分な電圧が届くかを確認します。順番は熱、次に性能です。
NEC では 310.16、310.15(B)、310.15(C)(1)、110.14(C)、そして 210.19(A)(1) と 215.2(A)(1) の情報注記を確認します。IEC 系では IEC 60364-5-52 が敷設方法、グループ、周囲温度、電圧降下の実務基準です。 NEC IEC
ディレーティングと電圧降下が別チェックである理由
ディレーティングは熱安全の確認です。通電導体数、周囲温度、屋上配管、絶縁温度で使用可能電流が下がります。
電圧降下は性能の確認です。長い配線、大電流、低電圧、アルミ導体、モータ始動で末端電圧が下がります。
ディレーティングで太くしても、電圧降下が十分とは限りません。熱的に合格する 10 AWG でも、長い 120V 回路では不十分な場合があります。
端子温度も重要です。90C THHN から補正を始めても、NEC 110.14(C) により最終的に 60C または 75C 端子制限を受けます。
計算シートに残すべき規格ポイント
- NEC 310.16:材料、絶縁温度、端子定格に合う許容電流表から始めます。
- NEC 310.15(B) と 310.15(C)(1):周囲温度補正と 3 本超の通電導体調整を適用します。
- NEC 210.19(A)(1) と 215.2(A)(1):分岐 3%、フィーダと分岐合計 5% が実務目標です。
- IEC 60364-5-52:敷設方式、グループ係数、周囲補正、電圧降下限度を確定してからケーブルを決めます。
片方の確認だけでは足りない現場例
下の値は計画用です。計算機にはブレーカに合う最小サイズではなく、ディレーティング後の最終サイズを入力してください。
| 回路 | ディレーティング条件 | 熱的な結果 | 電圧降下の結果 |
|---|---|---|---|
| 20A branch circuit, 150 ft / 46 m | 9 current-carrying conductors, 40C | 10 AWG Cu passes ampacity after derating | 8 AWG Cu keeps 120V drop near 3.8% instead of 6.0% |
| 60A, 208V three-phase feeder, 220 ft / 67 m | 6 current-carrying conductors, 50C | 4 AWG Cu remains thermally legal | 2 AWG Cu cuts drop from about 3.4% to 2.1% |
| 32A, 400V IEC circuit, 50 m | 10 loaded conductors on tray, 45C | 10 mm2 Cu clears grouping and ambient factors | 10 mm2 stays near 1.2% voltage drop |
| 120V workshop receptacles, 100 ft / 30 m | 12 conductors in one raceway | 12 AWG can fail the adjustment check | 8 AWG may be needed when both heat and drop matter |
具体的な数値例
20A コンセント回路、150 ft、120V、通電導体 9 本
40C の THHN 銅で通電導体 9 本なら 70% 調整と約 0.91 の周囲補正がかかり、12 AWG は厳しくなります。10 AWG は熱的に通っても、20A・150 ft で約 7.2V、6.0% 落ちます。8 AWG なら約 4.6V、3.8% です。
60A、208V 三相フィーダ、220 ft、暖かい機械室
通電導体 6 本では 80% 調整です。50C でも 4 AWG 銅 THHN は 60A に熱的に使える場合がありますが、線間電圧降下は約 7.0V、3.4%。2 AWG にすると約 4.4V、2.1% になります。
32A、400V IEC 回路、50 m ケーブルトレイ
通電導体 10 本のグループと 45C 周囲では、6 mm2 銅が補正電流で不足することがあります。10 mm2 銅なら熱条件を満たし、三相電圧降下も約 4.9V、1.2% に収まります。
計算結果を信頼する前のチェックリスト
- 負荷電流、連続負荷、材料、絶縁温度、端子温度制限から始める。
- 周囲温度補正と通電導体数調整を済ませてから電圧降下を計算する。
- 計算機には片道長さを入力し、単相、三相、AC、DC を正しく選ぶ。
- 盤が受電点や変圧器から遠い場合は、フィーダと分岐の合計も見る。
- 結果が 3% または 5% に近いなら、1 サイズ上げる方が現場では安全です。
電圧降下計算には最終ディレーティング後のサイズを使う
まず熱的に合格させ、その線径、実電流、電圧、材料、相数、片道距離を入力して性能を確認します。
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